燃やせ エンタメ魂

パーフェクトヒューマンを演じ続ける男のブログ

エンタメ魂9

初めて出来た「スロットをする知り合い」に少しウキウキした気持ちで翌日もいつものパチンコ店へ向かった菊池だが、柳川に会うことはなかった。

 

むしろそれから柳川を見かけることはなく、気がつけばそれから数日、彼に会うことはなかった。

そしてジャグラーで変更判別をする毎日。

この時の菊池の知識では、「変更された」ことがなんとなく見抜ければそれで嬉しかった。そのあと深く追うことも、設定を判別することもなく、変更が確認できればそれだけで嬉しい。それにジャグラー、ちょこちょこ当たるのでそれでスロットが出来る気になっていた。

 

そしてだいたいのスロッターはこの辺りで、打ったことのない機種に手を出してみたくなるが、菊池も例外ではない。

ふらっと座った機種【ネオマジックパルサーXX】でAタイプにはないA500-STという瞬発力を体感する。

すでにマジシャンとして活動をしていた菊池には魔法使いが主役な所にも親しみを持ち、マジカルゾーンでの解除率がアップするとか、テーブルなんてものは何も気にせず、ふらっと座ってフィーリングで打つ。

こんなに楽しいことがあっただろうか。

スロットとは知れば知るほど打てなくなり、それだけで稼ごうと思えばどんどんつまらなくなっていくものだ。

しかし「知る」ということがスロットで遊戯する上でどれほど必要なことであるか、彼は身をもって体験することとなる。

 

はずだった…

 

週末の夜、いつにも増して賑わう店内でこの日もネオマジックパルサーを打つ菊池。

(なかなか当たらないなぁ…いつもならこの辺で当たるのになぁ)

と、気がつけば数万円使い、ゲーム数は1280ゲームを越えたあたり。

 

(よし、1300ゲームまで行ったら今日は諦めよう!)

と心の中で決め、最後の1000円を打ち切って席を立とうとしたその時だった。

 

立ち上がる刹那、ガッ!と腕を掴まれた菊池に声をかけてきたのは柳川だった。

「おう!菊池くん、ネオパル打ってたんだ。これ、もう少しだけ頑張ってみなよ」

と柳川は言い、菊池をそのまま強引に座らせた。

「今日はもう結構負けちゃったんで、諦めようかと…」

と言いながらも、あとちょっとだけ!と押し切られる形で打ちはじめた数ゲーム後。

 

当たったのだ。

 

最大天井は1344ゲーム。

その台を1300ゲームで捨てるという暴挙も、知らねば致し方ない。ハイエナの餌食とはこのことだろうが、柳川がそれを止めてくれたのだ。

 

「なっ、良かったでしょ、やめなくて」

と笑った彼が魔法使いに見えたのは言うまでもない。

第10話へ続く↓↓↓

https://www.entamedamashii.com/entry/2018/10/23/165228