燃やせ エンタメ魂

パーフェクトヒューマンを演じ続ける男のブログ

エンタメ魂12

リプレイはずしと言われたJACゲームを回避する際に特に必要とされた【ビタ押し】。

4号機の大量獲得機では、1度のBIGボーナスではずしが出来るか否かで平均獲得枚数に100枚を超える開きが出る台も登場し、打ち手の間でビタ押しスキルが一斉に磨かれ時代。
単純に100枚計算すれば1BIGで2,000円変わる。

10BIGで20,000円。

一日に25BIG引けた日には50,000円の差が出る。こんな恐ろしいことがあって良いのだろうか…

 

そんな時代には必ず神がかったスキルを身につける猛者が現れる。それがこの時、親しみやすい声で話しかけてきた町田という男だ。

 

「君が菊池くんかぁ〜!柳川から話は聞いてたよ!町田です、よろしく!」

 

と軽く自己紹介をした瞬間には肩をポンと叩き握手を求めてくる人懐っこい性格で、柳川とは対照的に少しふくよかでにっこり笑い、手がクリームパンのような男。

 

柳川が続けた

「菊池くん、彼は町田。目押しスキルだとこいつよりすげぇ奴、俺見た事ないよ。ノリ打ち仲間だから仲良くしてな!」

 

菊池は嬉しかった。スロ仲間がどんどん増えていく、そんな予感が彼の胸にワクワクした気持ちをもたらした。

「こちらこそ!仲良くしましょー!」

 

「目押しの上手な町田」。町田の計り知れない目押しスキルを目の当たりにしたのは、出会いから数年後のことだった。そのエピソードというのが、【ビタ押し】という概念も「半コマ早く」とか、「丁度で押す」とか、そういうレベルですげぇ〜!なんて言ってるのが恥ずかしいレベルだった。

 

2006年に山佐から発売されたジャイアントパルサー。はずし時に3連図柄をビタ押しすることではずせ、失敗しても75%でアシストが発動するという緩めの作りだったが、一つだけ面白い機能がついていた。

ビタ押しを成功させると3連図柄が「ピタッ」と止まるが、「本当に丁度」でビタ押しすると「ブルルンっ」とバウンドストップしリールフラッシュが発生する。

 

その精度が実に「1/12」コマ。

 

「半コマ手前で押してみて」

ぴたっ

「丁度で!」

ブルルンっ!

「半コマ手前で」

ぴたっ

「丁度で!」

ブルルンっ!

 

と、菊池の出す要望にそって押し分けて見せたのだ。

「こんなの誰でも出来るっしょ〜」と笑う町田を笑えないで見つめる菊池。町田が打ちながら続ける。

「俺回ってる図柄、全部正確に見えるよ。 た、とえ、ば…このオレンジ、果肉がいくつに分けて書いてあるかも数えられる…4.5..8とカエルに隠れてる部分はあるけど9かな。」

 

回っているリールを町川の目が上下に素早く、ククッと動きながら追う。この独特な目の動きこそ【直視】に必要な動きなのだ。

「ただね、俺色弱だから色はあんまりわからないんだ。赤七とか青七とか、台によって色々あるけど色では区別つかないから、その分リールがハッキリ見えるのかもね」

人間の神秘を知ったのは、まだ爽やかな風の吹く初夏だった。

第13話へ続く↓↓↓

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