ノリ打ちの元手を山川の男気で手に入れた菊池は、いよいよ柳川、町田と共に本格的なノリ打ちをスタートさせる。
主な一日のサイクルはこれだ。
朝6時半起床
7時並び開始
10時入店
13時終了〜自由行動
20時データチェック
22時半データ取り
23時閉店〜食事ミーティング
この時代のノリ打ちのメインは宵越し天井や、天国の据え置き狙いにあった。しかも闇雲に「据え置きだったら…」とか「天国が残っていれば。。。」等というケースで立ち回りはせず、店舗によってその信頼度を独自に解析し、対策の不十分な店では全台の閉店時の出目をチェックして翌日の朝に全台照らし合わせる。
当時は台を閉店時に全台開けたりする店も少なく、設定変更する台のみ開ける店もあり、そんな時はセロハンテープを台の横に貼ったりもし、この年に発売された【南国育ち】はパトランプの中の反射鏡の位置が設定変更する際に回転することを利用してパトランプの写メを撮ったりもした。
設定変更のありなしを見抜く為に、思いつく限り様々な方法を試みた。
皆誰一人遊びではない、本気なのだ。
そして朝も早い。
狙い台は必ず取る。例えばそれを取りこぼし、他のグループに取られることがあれば「この店は喰える」と評価され、その分争いがキツくなっていく。だから他の侵入を許さないというのが鉄則だった。
目の前を行き交うサラリーマンの蔑んだ目。
幼稚園の大群を率いる保育士さんの目も痛い。
イベントでもない日、もちろん朝7時に並ぶのは柳川、町田、菊池以外にはいなかった。
3時間にも及ぶその時間も何一つ気にならないレベルで儲かった分、柳川がこの自分たちの「領域」を守ることに1番敏感だった。
それ故に似たような編成のグループが現れると激しく敵対視した。
第16話へ続く↓↓↓