大都技研が世に送り出した大量獲得のストック機【吉宗】がホール内で大きなシェアを誇った時代。
BIGでは必ず711枚が獲得出来、手順通りに消化して711枚に届かない場合は1ゲームで再度BIGボーナスが放出される。(BIGのストックがあれば)
また、BIG中に1/170が引ければ7が揃い、1ゲーム連が発生。ダブルで揃えば2個放出されるなど、この他にも1ゲーム連が発生する条件が盛り込まれ、多くのユーザーを虜にした。
そして何より、7の図柄が色、形、デザインなど、その全てがとてつもなくスタイリッシュでカッコよかった。
その吉宗の天国を一言で言えば「大チャンス」であり、ここでヒキを発揮することが収支に大きく影響する為、非常に大切なところ。
そしていつもこういう場面でレバーを叩くのは菊池の役目だった。
「知らないほうが引ける」という柳川のオカルト理論からはじめ任されていたが、平均してヒキが強く、吉宗では1ゲーム連を13連させたことがある。
これは恐らく全国でも屈指の記録であろう。
なぜなら、吉宗では5個までしか1ゲーム連はストックされないが、それ以降はBIGを引く毎に1個ずつなら上乗せしていける。少し確率を分かりやすく書けば、30ゲームの間に1/170を引く、これを8回連続成し遂げたことになる。そもそもそれまでに5連させた上で、だ。
しかも実はこのエピソード閉店間際の話で、最後は姫BIGを選択し、おみくじ演出をキャンセルしている。もしかするとまだ…という可能性すら残し閉店。僅か2時間弱で9,000枚を超えるコインを叩き出せる、そんな時代だった。
だからこそ、朝は戦場であり、譲れない戦いが繰り広げられていた。
ある時、おそらくは全台設定1の据え置きなのだろう。天国だろうが天井だろうがお構い無し、ボーナス中でなければ全て据え置きで稼働率もぼちぼちという絶好の店舗を発見し、数日間皆で代わる代わる調査、閉店時の出目チェックからレバーの下に小さな紙を挟み込むなどし、翌朝「完璧に据え置きだな」と確認し合った。
案の定、吉宗、お見事!サブちゃん、巨人の星Ⅱなど、ありとあらゆるものが「残っていた」のだ。
そこで柳川はある提案をした。
第17話へ続く↓↓↓