スロプロは根本的には皆一様に「スロットが大好き」である。
一悶着があったもののすぐに打ち解け、
「朝何時に並んでたんですか?」
との相手グループの問いかけに
「3時半!」
と柳川が答えたことで
「うわっ!そりゃ叶わないわ!俺ら違うところで頑張ります」
と相手方皆で苦笑いを浮かべて頭をかいた。
本当は5時だが、あえて柳川は3時半と答えて縄張りを、そして仲間を守ったのだった。
喧嘩をしたら仲間とはよく言ったもので、この敵グループも謝罪を受け入れたことにより知り合いのグループとなり、上手く棲み分けに成功したことで後に情報共有もするような仲の良いグループとなり、いつしか皆で忘年会をすることになるのだが、それはもう少しあとのこと。
2004年もまだまだ全国的にホールは賑わいをみせ、パチンコ店の出店競争は激しさはイベントの激化を呼んでいた。
しかしその一方でついに発表された【5号機】の規定の厳しさに震えたことを記憶しているスロッターは今でも多いのではないだろうか。
だが目の前にはまだまだ一撃で万枚が狙える台も多く残されている。
いつか必ず訪れる5号機という冬の時代には、皆目を伏せていた。
グループでのノリ打ちには月に2日程休みがあり、皆自由に遊んだり休んだりしていたが、年の瀬に迫ろうとするある日、菊池は町田に誘われて池袋にいた。
「きくっつぁん、紹介するよ」
と町田の彼女を紹介され、3人で設定5.6が大量に投入されるというイベントに遊びに来ていた。
会釈する彼女と菊池が社交辞令を始めた矢先、町田は知り合いを見つけ話し込んでいた。
人見知りをせず、この頃にはもうプロのクロースアップマジシャンとして活動していた菊池も驚く程に、町田の社交性は高く、特に目上の人からも可愛がられる人柄だったのでこの日も色々な人に話しかけられていた。
その折、ある50代くらいの綺麗なご婦人が町田と楽しげに話し、町田はおもむろに菊池を呼んだ。
第24話へ続く↓↓↓