2005年春。
この年の桜の開花は少し遅く、まだ蕾のままの樹木が目立つ中、神田川沿いの桜並木も未だ開花には程遠く、寒さの残る朝靄の中を軽い足取りで行く菊池の姿があった。
3月14日。
この日は菊池の誕生日で、いつもの3人がお祝いに行きつけのステーキ屋で奢ってくれることになっていた。
だが、当然誕生日だろうと稼働はする。
柳川のオカルト「誕生日の奴は出す」に基づき、この日は全ての【叩きどころ】で菊池が起用されることになった。
そしてこの日は近隣のお店がホワイトデーということで年一イベントを開催していたのだ。
しかし、この時の我々にはこのようなイベントは基本的に必要なく、朝はいつも通りの狙い台を忠実にこなすだけで良かった。むしろこうした強力なイベントがある日は朝の並びがゆるく、多少はのんびりと起きれるというメリットすらあった。
ただあいにく、この日は打てる台が少なく天国が残っていたであろう吉宗のBIGではサクッと鳴らしダブル揃いで柳川に引き継ぎ、柳川は簡単にパンクさせてこの日のあさイチの「ノリのお仕事」は終わったのだった。
それからしばらくしてイベント店の様子を見に行くと、90%近い稼働を誇り、とても優秀な空き台に座れる雰囲気は…
となるのが普通の店舗だが、ここのお店は極めて年配客も多く、良さそうなジャグラーを中心にマイルドな台は相当数解放されていた。
適当にBBとRBを1対1で引きているジャグラーに座り遊び出す菊池。
案の定、簡単に2,000枚ほどの上乗せして誕生日稼働を終了し、皆で歩いてステーキ屋へと向かうのであった。
第30話へ続く↓↓↓