燃やせ エンタメ魂

パーフェクトヒューマンを演じ続ける男のブログ

エンタメ魂36

にわかに騒がしくなりはじめた店内。

徐々に韓国人の客も増え始め、ハングルが飛び交う店内でこの日3台目のジャグラーに着席した菊池。とにかく2日間のデータが悪い台を選んでみた。

 

こうした過去のデータからくる店の傾向を見ることも本来とても大切なことだが、前日から狙い台をピックアップする立ち回りが主流になっていた菊池は、ここに対する意識はだいぶ甘かったことを反省した。

 

台の設定は勝手に切り替わることはなく、設定を打ち変える人間が必ずいる。いつかはAIがそれにとって変わる日が来るのかもしれないが、現段階では設定師という職業があり、その人たちは基本的には独自の思考によって設定を入れていく。

中には上から指示があってそれにそうケースもあるが、基本的には設定を操作して売上を調整するのが彼らの役目だ。このセンス、能力が高い者は客を呼び、出玉感を与え、そして売上をあげる。

「出して潰れた店はない」

という素晴らしいスローガンを掲げる店もあるくらい、設定を操作する人の考えは様々で、腕は常に試され続けている。

 

なればこの人読みこそ、自分の得意とする分野ではないかと菊池は思った。

マジシャンとしてより良いパフォーマンスを行うために大学では心理学を専攻し学んでいる。

心理的に選びやすい場所があるように、自ずと設定を使いやすい場所が設定師ごとにあるはずだと。

そして心理操作もマジックではよく使用される技法であるからには、どこかのタイミングで優位に立てればそれも可能になるのではないか…

そのようなことを本気で考えて、例えそれが勝手な独りよがりだとしても、それでいて自分を信じきれるだけの自信は日々のマジック実践で手に入れていた。

 

優位に立つタイミングとは、人の少ない店で連続して高設定をツモり続けた時だと狙いを定めて、諦めることなく32枚のメダルを投入してレバーを叩いた。

 

そしてこの時、菊池は思わぬハプニングに見舞われる。

第37話へ続く↓↓↓

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