「スロットって楽しいよ」
スロットの魅力にどっぷり浸かっている菊池は、友人にもスロットの魅力、スロットの素晴らしさを二十歳の頃より布教して歩いていた。
吉宗撤去まで1年を切った頃。
この日も練習とストリートライブを終え、楽器を家に置いた後、駅に着く頃には夜9時になろうとしていた。
「なぁ、この後俺スロットのデータ取り行くんだけど、覗いてみない?」
と当時の琴のメンバーを誘った。
「んまぁ、いいよ」
と、男ならだいたい1度は興味を示すもの。地元の店へ連れ出すのは容易かった。
店内をぐるっと見回し、適当にAタイプをやって見せようと思ったが、380ゲームやめの吉宗を発見した。時間は9時を少し回った頃。
(まぁ高確演出とか出たら見てて楽しいかな?)
くらいに思い着席。
「400ゲームからチャンスなんだよー」
と話し始めた瞬間だった。
投資1本。
数ゲームでチャンス目解除。
BIG。
ここから菊池の持てる運量が爆発する。
「BIGは三種類から選べてね、それぞれ音楽や告知演出が変わるんだけど、まぁわかりやすいので言うとこの爺様かな」
じいじゃ🎶
ジャッキーン!!!
「ね?こう鳴ればBIGもう一個追加なの!」
興奮する菊池を少し冷ややかな目で見ていたメンバーも、このBIG1発が14,000円なのだと言うと
「マジで!!」
と興奮してみせた。
そして次のBIGは吉宗を選び
パキッ!
ズドドドドド!!!
と1発で7を揃えてみせ
「え?これも毎回揃うの?」
とメンバーを驚かせたが、そうでないことを説明。今のが偶然であると笑い
パキッ!
ズドドドドド!!!
と2回続けて揃えてみせて2人して大興奮。
当然2発のBIGが出てくるわけだが、姫BIGを聞かせて「浜崎あゆみが歌ってるの?!」と驚かせたりなんだりしているうちにリミットの5連に達していた。
5発目のBIGを消化しながら菊池は得意げに説明した。
「ここまでくるとリミッターってものがあってね、BIGのストックは複数できないんだ。でも1個ずつなら乗せられるから、まぁそれを繰り返せば終わらないけどね!」
言霊。
言葉には力がある。想いは言葉にすることが大切。
菊池はこの日、大量獲得機「吉宗」において、驚愕のBIG1ゲーム連【13連】を達成して一撃9,000枚を超えるメダルを獲得。閉店の為ボーナス後0ヤメを強いられたのだった。
まだもしかしたら潜っていたかもしれない。
例え終わっていても天国にあがるかもしれない。
時間さえあれば…
しかし手には9,000枚を超すメダル。
スロットには夢しか詰まっていないのだ。
このメンバーが後にスロットにハマり、何度も朝から並んでノリ打ちをしたことは言うまでもない。そして主役は銭形でノリ打ち万枚を達成したが、それはまた別のお話。

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第52話へ続く↓↓↓
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