コポコポコポ…
コポコポコポ…
アクアビーナスのリプレイ入賞時の音を聞いては沖縄の海を思い浮かべていた菊池。
大学の卒業旅行で行った沖縄旅行の思い出に浸っていた。
しかし横で町田は相変わらずはしゃいでいる。
「菊池くん!もうリプレイ7連してるよ!当たってるよ!!!さぁ心のじ…あ、あれ?当たってないね…」
「なんだよー!期待させてー!!」と笑う菊池に対して町田は思った。
(この子のこの偏ったヒキはなんなのだろう…)
町田にヒキ強認定を受けた菊池だったが、町田のヒキも相当なもので、こんなエピソードがある。
以前物語の中に出てきた六本木でBARを経営している女性小平は、気品のある素敵な大人の女性だが、(https://www.entamedamashii.com/entry/2018/11/06/123606)
「昔ね、町田くんともう1人、表賀くんていう子とよくノリ打ちしてたのよ。私はよく2人の知識に助けて貰ってたんだけどね、町田くんのヒキは本当に凄くてね。」
落ち着いた柔らかな口調で、微笑ましげに、またどこか少し誇らしげに語ってくれた。
「北斗の高設定イベントで、3人の中で町田くんだけ座れたのよ。私と表賀くんは別の台を打ちながら、それでもみんな高設定に座れてね。今日は大きく勝てそうね、なんて話していたの。」
菊池はこの話の予想がついた。
この時代には当然5.9号機のような【完走】なんていうものはない。北斗の拳の【バトルボーナス】は、次セットが確定していないぶん、上限もない。66%、79%、84%、88%の4段階の継続率に応じて次セットが抽選され、抽選に漏れない限り続く。
10連以降は愛をとりもどせが流れる可能性があり、20連目以降は終了時にラオウが昇天する伝説の名シーンが流れる。
「次の一撃が、我らの最後の別れとなるだろう」この名セリフが菊池は大好きだ。
菊池自身も北斗の拳では38連させたこともあり、きっと町田のことだから50連くらいの大連チャンをかましたのだろうと予想しながら相槌を打っていた。
「町田くんがね、北斗揃いを引いたからと報告に来てね、はじめはちょくちょく様子を見に行ってたの。20連目の昇天をかけたバトルボーナスはみんなで応援したわ。それも難なく乗り越えたかと思うと、30連、40連と継続させて…」
(ほーらやっぱり!)
と菊池は思ったが
「だんだんと見に行くのが怖くなったわ。そのタイミングで終わったら自分が終わらせたような気がするわねって表賀くんと話して。きっと終わったら報告に来るだろうってことで応援に行くのをやめたの。でもね…」
「でも???」
「全然報告に来ないの。さすがにそろそろ終わってるかしらって通路の遠巻きに覗いてみても、まだ台枠はピカピカしてるし…結局何連したと思う?」
「な、何連したんですか??!」
「96連よ、96連!!!」
「ば、化け物だ…」
世の中には凄いヒキを持つ人は確実に存在する。そんな会計士を目指した町田は現在…
これはもう少しあとで語るとしよう。

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第55話へ続く↓↓↓
https://www.entamedamashii.com/entry/2018/12/20/201710