2007年。
この年は5号機としての数多の名機が生まれ、全国のホールで立派にその地位を築き上げていった年と言える。
その中でも最高のスペックを引っさげてデビューを果たしたのが「ブーメランラッシュ」というRTを全ボーナス後に搭載し、絶妙な演出バランスで瞬く間にチャンピオンに登りつめた【リングにかけろ1】だ。
兎にも角にもスペックが優秀過ぎる。
設定6の機械割は119.5%と5号機規定のギリギリのラインで通してきており、さらに特出すべき点は、設定5でも113.1%の高い機械割を誇っていることだ。
そして何よりも演出の完成度が秀逸で、リールの滑りとの絡みのバランスも完璧だった。
そしてまたしても、この台の面白さにいち早く気がついたのは町田であった。
「まっちゃんそれ何してるのー?」
菊池は回るリールを眺めながら時折指折り何かを数える姿に疑問をぶつけた。
「配列見てるんだよ。でコマ数数えてる」
「は?」
確かに町田の目は上下に直視独特の目の動きを見せているが、それは冊子にある配列を見れば解決するのでは?という疑問をさらにぶつけた。
「取りに行くの面倒じゃん。それに俺には止まって見えてるのと同じだから必要ないよ」
と笑って見せる町田に、やはりこの人のスロットに対する能力は本当のプロのレベルなのだと痛感したと同時に、町田の「リングにかけろ1」の話が聞きたくて仕方なくなったのであった。
第60話へ続く↓↓↓