燃やせ エンタメ魂

パーフェクトヒューマンを演じ続ける男のブログ

エンタメ魂65

20時間に迫ろうかという長時間のフライトを間近に控え、空港で待機する菊池。当時の相方である小袋聖志と落ち合い、コラボする和太鼓のメンバーを待っていた。

 

渡航許可下りてよかったよね」

と小袋が言った。

 

「本当だよね!いや、でもむしろ下りてよかったのかな?」

と菊池が苦笑いで返す。

 

この時は情勢が不安定過ぎて逆にマイナスな方向で安定していたと言えるレベルで、出発数日前まで日本政府はアラブ諸国への警戒レベルをかなり高めに設定しており、連日報じられるアラブ諸国におけるニュースも単に「怖い」イメージを植え付けるものが多く、割とナチュラルに「死ぬ覚悟」が求められている気さえしていた。

 

それでもこれまでに何カ国も海外ツアーを行ってきた菊池にはやはり心躍らざるわけにはいかず、まだ見ぬ世界への期待に胸は高鳴っていた。日本の心とも言うべき琴の音が、世界でどのように評価され昇華されるかをテーマに、何よりまず受け入れられるのかが1つ目のハードルであった。

 

 

こうして始まる「アラブ湾岸諸国ツアー」は、最高のスタッフ陣と共に幕を開ける。

舞台監督の東川さんは現在では氷川きよし槇原敬之の舞台監督を手がける売れっ子で、照明は今でも共にステージを作ることのあるドラゴン龍原、音響はマスさんこと益川だが超がつくほどのイケメンでプレイボーイであり、音作りに関しては抜群のセンスを誇っていた。

 

 そしてパートナーとなる和太鼓ユニット「ドドンパ」の2人は、この頃流行っていた格闘技イベントなどでオープニングアクトを務めたりするなどしてアクティブに活躍していたし、何より人としてとても穏やかで若手の菊池らにも敬意を持って優しく接してくれた。さらに津軽三味線のベテラン2人のプロも20代の若手の箏チームの面倒をよくみてくれたことを菊池は今でも時折振り返る。

 

 

そして長い長いフライトを終えてイランに入国。空港に着くとイランに赴任している日本国外交官が出迎えてくれた。

 

「イランへようこそ!」

 

と笑うたくましい外交官と合流し、街に出た菊池らは思わぬ現実と直面した。

 

 

第66話へ続く↓↓↓

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